【概要】 ウディタでは、100万以上の巨大整数はただの数ではなく、 変数を指定しているものがあります。 この数値をイベントコマンドの数値欄に入力することで、 特定の変数を代わりに呼び出すことができます。 例えば、数値欄に、「所持金」を指定する巨大整数「1103000000」を 入力すると、1103000000が自動的に「所持金」に置き換わって処理されます。 では、この機能を使って何ができるのでしょうか。 具体的に、以下の二例を使って説明したいと思います。 @ 所持金を2倍にするイベント ┗変数を呼び出す数を、エディタの数値欄に入れると…。 A パン屋さんのその場で食べるパンを有料にする ┗変数呼び出し値を使って計算してみます。 |
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@ 所持金を2倍にするイベント 「(所持金)×2」は「(所持金)+(所持金)」と表すこともできます。 「現在の所持金」の金額を所持金に足すと、所持金が2倍になりますね。 このイベントでは、「現在の所持金」の変数数値(金額)を呼び出して、 それをイベントコマンドで所持金に足すということをします。 ここでのポイントは下記【2】の「現在の所持金」の金額を呼び出す方法ですよ。 それでは、やってみましょう。 |
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【1】新しくイベントを作成してグラフィックを設定し、 「コマンド入力ウィンドウ」を開いて、タブを「その他2」に 切り替えて下さい。 参考:◆新しいイベントを作ってみたい【1】〜【7】 |
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【2】「コモン3:○お金の増減」を選択して下さい。 ここからがポイントです。 「お金の増減値」に、「1103000000」、この通りの数を入力して下さい。 この数は表面上はただの11億300万ですが、変数として「所持金」、 厳密には「可変DB:タイプ3番パーティ情報:データ0番メイン設定:内容0所持金」 を指定しています。 入力したら、右の画像下部の赤枠で囲っている部分に注目して下さい。 「1103000000=【可変DB】タイプ3:パーティー情報 データ0:メイン設定 内容0:所持金 の値(変数)」 …と表示されていると思います。 (もし違うなら、入力した数値が正しいか確認して下さい。) これが、呼び出される変数の名前です。 変数呼び出し値は桁数が大きいため、数を間違うこともあるのですが、 1文字でも抜けていたり間違っていたりすると、正常に値が 呼び出せません。ですから、ここでの確認は大切です。 |
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【3】確認が終わったら「入力」を押してください。 次に、イベントが実行された事を確かめるために文章を入力します。 タブを「文章の表示」に切り替え、「お金が2倍になった!」と 書き入れて「入力」を押してください。 |
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【4】それでは、テストプレイしてみましょう。 ゲーム開始直後は所持金が0ですので、少し手に入れてから イベントを起こしてみましょう。イベントを起こすたびに所持金が 倍加していきます。 ここで、イベントを起こすたびに所持金に足されるのは 11億300万という「数値」ではなく、変数「所持金」だったことが お分かりいただけたと思います。 まずは、エディタの数値欄に変数呼び出し値を入れるとどうなるか、 という説明でした。 次に、別の例を用いて、変数呼び出し値を使って計算をしてみます。 |
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Aパン屋さんのその場で食べるパンを有料にする 食べると全体アタックが使えるようになる、あのイベントです。 その場で食べるものは無料になっていますが、このイベントに、 「所持金からパンの値段を引く」処理を加えて有料にしてみます。 今回は【3】で変数呼び出し値を使用して、ユーザーデータベースの アイテム情報から、アイテム「おいしいパン」の値段を呼び出します。 |
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【1】[Event:9 - コック]を開いて、文章選択肢 【1】\s[0] ( 「よーし、ちょっと待っててくれよ!」というセリフのある選択肢) の中を選択してコマンド入力ウィンドウを開き、タブを「DB操作」に 切り替えて下さい。 |
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【2】まず上半分、DBの設定を行います。ここには「所持金」を設定します。 可変DBで、DBタイプ番号に「3」、データ番号に「0」、内容番号に「0」を それぞれ入力して下さい。ウィンドウ下部に確認欄がありますから、 ここで設定が正しいか確認してみて下さい。正しければ、 「▼可変DB タイプ3 パーティー情報/データ0 メイン設定/内容0 所持金」 が表示されますよ。 |
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【3】それでは、変数呼び出し値を使用します。 今回は「1002000319」で、これはパンの値段です。 これを、ウィンドウ中段の「数値処理 または 代入先指定」に入力して下さい。 正しく入力できていれば、確認欄に 「▽1002000319=【ユーザDB】タイプ2:アイテム データ3:おいしいパン 内容:19販売価格[0=売れない]の値(変数)」 と表示されます。 |
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【4】先ほど、可変DBから所持金を、ユーザDBからパンの値段を それぞれ呼び出しましたが、今度はこの2つの変数で引き算をします。 パンの値段を所持金から引くので、1002000319を入力した場所の すぐ左にある「=」を「−=」に変えます。 そのさらに左にある「DBへ代入↑」「変数に代入→」は、 「DBへ代入↑」にしておいて下さい。 これで、「所持金からパンの値段を引く」という処理がようやく完成しました。 |
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【5】それでは、テストプレイです。パン屋さんは、P.G.エディを 仲間に加えるイベントが起きていないと出現しないので注意。 ちゃんと所持金が 20ゴールド減りましたか? もしうまくいかなかったなら、ウディタを見ながら、上記項目の 【2】【3】【4】をもう一度読み返してみて下さい。 ミスが見つかれば修正を、見つからなければ、もう一度入力をし直して みて下さい。投げずに試行錯誤することが、あなたの知識となります。 ちなみに、所持金が20ゴールド未満だった場合でも、所持金からやはり 20ゴールドを引くので所持金はマイナスの値になりますし、イベントも そのまま進行します。ここではやりませんが、余裕があったら上手く 動くように改造してみてくださいね。 ぜひ、できるまでやってみて下さい。お疲れさまでした。 |
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【余談】 変数呼び出し値は複雑な巨大整数ですから、「これ覚えるの!?」と 思われた方もいらっしゃることと思いますが、覚えていなくても大丈夫です。 ウディタの「ヘルプ」から「変数呼び出し値/特殊文字一覧」でいつでも 見ることができます。 それに、頻繁に使っていればいつか覚えてしまうこともありますので、 最初に思うほど難しいことではありませんよ。 そして、変数呼び出し値は便利な機能です。しかし、文字を入力する欄なら どこでも使えるというわけではありません。 文章や文字列変数など、数字以外が入ることのある場所には数値の 変数呼び出し値は使えませんが(代わりに特殊文字が使えます)、基本的に、 数字を入力したときに確認欄に「通常の整数値」と出る場所は全て 変数呼び出し値の入力が可能、と思っておいて大丈夫です。 |
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<執筆者:ウディタ公式ガイド執筆コミュ。>