月夜の戦い(幻想譚)


俺は腰に差してあるロングブレイドを引き抜く。

そして眼前の戦士に向けて構える。

「いくぞ!」

眼前の戦士が叫び俺に切りかかってくる。

俺はそれをスケイルガードで受け止め二回目の攻撃をロングブレイドではじく。

俺はロングブレイドを強く握りしめ、全力で切りかかった。

しっかりと一撃一撃に力を込めロングブレイドを叩きつける。

しかし、相手の戦士はその攻撃をすべて剣で受け流していく。

俺は攻撃をやめ、ひとまずバックステップで間合いをとる。

だが、相手の戦士はステップで間合いをつめ、剣で切り上げてくる。

それを何とかスケイルガードで止め、力の無い蹴りを当てる。

相手が怯んだ隙に集中、そして

「火炎!」

その声を引き金に相手の戦士が炎に包まれる。

「っく!」

相手の戦士の声を聞かないうちに接近、そして切りかかる。

だがその攻撃は空を切った、相手の戦士は俺の攻撃を見切り、かわしたのだ。

そして隙の出来た俺に相手戦士の剣が向かってくる。

それを超人的なスピードで反応し、かわす。

何とか体勢を整えロングブレイドを握りなおす。

「なかなかやるな、お前」

「……お前もな、人間」

相手の火傷が治っていく、どうやら治療をつかったようだ。

月明かりの中お互い剣を構え立っている。

俺が先に仕掛けた。

俺は剣を強く叩きつける。

相手の戦士はそれを受け止めた。

だが俺は攻撃をやめずにそのまま切り続ける。

三、四回攻撃したがすべて止められた。

相手の戦士は俺が大きく振りかぶった隙を突き剣で突いてくる。

何とか体を捻りかわそうとしたがその突きは俺の左腹部を貫いた。

「っつ!?」

そのまま横に薙ぎられ、俺は倒れた。

突かれた左腹部から血が滲む。

「っ……くそ!」

後ろに転がり少し相手から離れ起き上がる。

だが、相手は手負いの俺の回復を許さずそのままステップで近づいてくる。

そして、剣で斬りつけてくる。

一回目、剣の腹で受け流す。

二回目、剣と剣同士をぶつける。

三回目、スケイルガードで止める。

相手の攻撃を何とか止めるが相手の攻撃はすばやく、隙が無い。

そして、傷によりじわじわと体力が削られていく。

そして、七回目の斬りあいの時。

俺のロングブレイドが折れた。

これで俺は丸腰、相手の剣が迫る。

左腕のスケイルガードは間に合わない!

剣が俺の顔に切り下ろされる。

だが、その剣は俺の頭を割ることは無かった。

俺の右手にはショートブレイドが握られていた。

袖に隠してあるそれをとっさに抜き、

ショートブレイドの腹で相手の剣を受け流し、

その隙を突いて横になぎ払った。

その一撃は結構深く入り、相手の戦士はよろめいた。

そして追撃しようとするがうまく足が動かず俺もよろける。

「っく…………次にあったときこそお前を討つ! 覚えていろ!」

そう言って相手の戦士は走って行った。

月明かりに照らされた砦には俺以外誰もいない。

安堵感を覚えたが、心の中にはまだ戦いの興奮が残っていた……
佐上良輔
2012/03/22(木)
05:32:28 公開
■この作品の著作権は佐上良輔さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのコメント
こちらは戦闘の練習に、と書いた物です。
書いた当時もいくつか突っ込みどころがあったものの
「まぁ、これでいいだろ」
と、修正していないまま、PCに埋もれていました。
今になって見直しても
「なにか違うような……」
と、思う箇所はいくつかあるのですが(とくに最後の、袖からショートブレイドを取り出す部分)
ほかの表現方法が思いつかなかったため、そのままになっております。
もっと、かっこよく文章が書きたいなぁ、と思わざるを得ない作品でした。

この作品の感想をお寄せください。
感想記事の投稿は現在ありません。
お名前(必須) E-Mail(任意)
メッセージ
 削除用パス 


<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD 編集 削除