学園祭inノーマ学院(ナイラーザ×レシア) |
日増しに 涼しくなる10月の初旬。 さすがに屋上での 食事厳しくなってくるこの頃、 いつもと変わらず クリームパンを頬張る 少女がいるのだった。 「ハグハグ♪モグモグッ♪」 まぁ普段なら 特に突っ込みもいらない日常。 だが今日は……… 「おいレシア、 今日は何のイベントが開催 されているのか知っているのか?」 「学園祭だよね?」 「でレシアは何をしているんだ?」 「クリームパン食べてます。」 「それは見ればわかる……」 「学園祭という イベントが開催されているのにも 関わらず屋上でクリームパン 食べてるやつがいるかーーーーーーー!」 「ここに居るよーーーーーー!」 学園祭というイベントが ある事を感じさせないような 始まりで申し訳ない。 「だってさ、 あのパン屋さんがスペシャルな クリームパンを露店で焼いてたじゃん。」 「それで素通りするのは 酷すぎると私は思うんだよ。」 例にも漏れず上目遣いで ウルウル攻撃されて奢って やったのは言うまでもない。 大分不抜けちまったな……俺も。 「………とりあえず店を回らないか?」 「そだね、いこっか。」 各学部がいろいろと思考を凝らして ブースが作られている。屋上からの階段をゆっくりと降りて校舎へと向かった。 〜薬学部ブース〜 ここはエシュター達が 居る薬学部のブース。 一体何をやっているのかと のぞいてみると…… 「さて、 やって参りました今宵の戦い、 『牛乳早飲み選手権』!!」 「挑戦者は我らがエシュターと 牛乳早飲み対決を行い先に飲んだ方に 軍配が挙げられます!」 「エシュターには何も景品が無いが 参加賞として 『薬草10日分詰め合わせ』 がプレゼントされる。」 「もし勝利できたのなら 『エシュターの秘密』を プレゼントする。」 ガゼルとアルバートが このブースの趣旨を説明している。 「ちょっと待て! 『エシュターの秘密』 って何なんだよ?」 「俺が執筆したエシュターのある事無い事 まとめたフォトエッセイ。」 「キャッチフレーズは 『エシュターの全てを あなたに委ねます』」 「(おっと…… 正気がどっかお出かけしてるな……)」 「(ちょっと欲しいかも……)」 「(やっぱり二人はおホモだちーー?)」 「(何かネトネト した殺気が渦巻いているな……)」 「(面白そうだから見ていきたいな?)」 そして人込みを掻き分けるかのように 一人の男がさっそうと現れた。 「エシュター(ハァハァ) 私と牛乳早飲み勝負を してくれないか?(ハァハァ)」 ロベルト教頭が現れた。 ちょっと息遣いが荒い。大分危ない。 ネトネトした殺気を通り越して 鬼神の如き威圧感がある。 「記念すべき 最初の挑戦者は何と教頭先生です! 二人とも席に着いてください。」 「レディー・・・・ゴー!!」 目の前に置かれたコップを手に取り グイグイと飲み干していく。 用意されたコップは5つ。 目にもとまらぬ速さでコップは 空に成っていく。 「(エシュターの秘密♪ エシュターの秘密♪ エシュターの秘密♪)」 「(勝負より そっちの方が 重要なんですかーー?)」 そして決着……。 「これにて結果が決まりました! 勝者は教頭先生です!!!!」 「うぉおおおおおおおおおお! エシュターの秘密ゲット!!!!!」 「そして特別に、 エシュターごとプレゼントです!!!」 「勝手に決めるんじゃねぇえ!」 「人生最高の文化祭をみんな有難う……」 半ば危なすぎる 追いかけっこが始まってしまった。 エシュター、生きて帰って来てくれ。 〜図書委員会ブースへ レシアが図書委員会ブースに 行きたいと言い出したので仕方なく そちらへと向かっている。 ふと不思議そうな顔で レシアが見上げてくる。 「もしかして あのペンダント つけてくれてないの?」 「太陽の形のシルバーアクセか? 肌身離さず胸ポケットに 入れてあるぞ?」 「首から提げて くれなきゃ意味 ないでしょ!」 「お願いだから いつも見える場所に つけていてほしいな?」 「仕方ないな……。」 元々装飾品で着飾る事の無いタイプ。 少々恥ずかしいが首からそのペンダントを提げてみる。 今まで気が付いていなかったが、 身が付き型のペンダントをレシアは 首から提げているようだ。 そんな事をしている間に、 図書室に到着した。 少々話し声が聞こえる。 「昔々ある所に、 マユトカゲ男君とマユトカゲ子さんが 住んでいました……」 誰かが腹話術で劇をしている様だ。 「(……ねぇマユゲ取れてない?)」 人形からマユゲの部分が 落ちてしまったようだ。 おそらくマジックテープで 止めるタイプなのだろう。 「こらぁああああああ! 誰だ、マユゲを剥いだ 奴はぁあああああああ!」 ここの学園祭は 地域の住民なら自由に参加できる 事を考慮してほしい。 小さなガキどもが 泣き出してしまったじゃないか…… 「レイシーさんに 腹話術の芸を頼んだのは 失敗だったかしら?」 と訝しげに考えている金髪のメガネ女。 「あら、 入学試験第2位の ナイラーザ君じゃない?」 「わざわざ入学試験の事を持ち出すのは、 クリスティーナ位なものだ。」 「貴方みたいな インテリさんと勝負 できないのは悔しいわね。」 「確かに 共通試験以外では 勝負はできないな。」 「あんまり話していると 彼女さんが機嫌悪くしちゃうから この位にしておく。」 後ろを振り返ってみる。 うん、レシア………そんなに睨まないで。 「勉強やら委員会の仕事だけじゃなくて、 こういうひと時を作るのも大事だぞ?」 「フン、間に合ってるわよ!!」 未だにレシアの視線が怖いので 図書室を後にした。 にしてもクリスにも 春が訪れているとはな…… 〜医学部ブース〜 大腿学園祭では自分たちの クラスの店番をしなくてはならない。 そろそろ担当の時間に なるので医学部のブースに 戻ってきたのだった。 「おっ、 お二人とも戻ってきてくれましたね。」 ノーザニア原住民がそこに座っていた。 確かレシアと俺とこの女が この時間の担当だった。 「にしても…… ナイラーザさん スケコマシ野郎になりましたよね。」 今日初めての会話で言う事か? 「医学部の一匹狼と呼ばれていた あなたが素敵なレシアさんに 鼻の下をのばしちゃって……」 新たなアダ名が 追加されたような気がする。 「いっつも屋上で ラブラブハグハグしちゃって 体育祭でもあんな事しちゃって……」 屋上ではそんなに ラブラブしていないし、 ハグハグしているのは どちらかというとレシアだし、 体育祭は健全に二人三脚していたし。 「もしかしてセトさん、 恋人欲しいの?」 「そっそんなことありませんよ!」 「今まで華の無かった医学部に ラブバイオレンスカップルが できちゃって・・・」 「そろそろ年齢的に 恋人の一人や二人 愛人の一人や二人 頑張って作って楽しい学園生活を 送りたいななんて思っていません ですから?」 愛人とか 道徳的にまずい関係作ろうとしているし、 パニクりすぎて最後は 質問見たくなってるし ツッコミきれなくなってきた。 「結論を言いますと…… 二人の関係が羨ましいだけですよ……」 顔を赤らめてそっぽを向いてしまった。 「俺たちの関係が羨ましい……」 改めて言われるとこそばいような むず痒い様な不思議な気分になる。 レシアも同じなのかはにかんでいる。 いつも二人で居るようになったから 大体5カ月位になる。それは自然の事で、 普通の事で、日常の事になり始めた。 「いつまでもこのままで」 柄にもなくこんなことを思い、 楽しかった学園祭は終わりを迎えた。 Fin |
刹那雪
2009/09/26(土) 11:06:09 公開 ■この作品の著作権は刹那雪さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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会長、あんたもか!!!!! だから二人で楽しんでもらわないと話が進まn(ry 出す速さよりも感想をいただけることに喜びとナイラーザを感じます(何 さて次回の話は会長なら既に気がつかれてますよね……? また、11月ごろに。 |
Name: 刹那雪 | ||||
■2009-09-30 20:54 | |||||
ID : 0YgQRQCk6a6 | |||||
うわぁぁぁぁぁ毎度の一番感想記録が終わったぁぁぁ(落ち着け) でも今回も素晴らしい内容だったぜフゥっ!! そしてナイラーザがレシアを学祭に誘った・・・? あのナイラーザが、あのナイラーザが、ナイラーザがピー、ナイラーピガー、ピーガー、ピー・・・ |
Name: シャンベル | ||||
■2009-09-30 20:26 | |||||
ID : M1.0HMHDDp. | |||||
ナイラーザとレッシーは 仲良しこよしのカップルなので 二人で学園祭行くのは当然なのです。 二人で楽しんでもらわないと話が進まn(ry 感想ありがとうございました |
Name: 刹那雪 | ||||
■2009-09-28 21:33 | |||||
ID : 0YgQRQCk6a6 | |||||
ナイラーザからレシアを学際に誘った……。 あのナイラーザが、あのナイラーザが、ナイラーザが、ナイラーザが、ナイラーザが、ナイ―― |
Name: まむぅ | ||||
■2009-09-28 08:43 | |||||
ID : hIel2l1Ualg |