この平穏な毎日1〜9 |
〜プロローグ〜 俺は、昔から変な物が見えた。幼馴染のアイナと、友人のセトとか、エシュターとその妹は見えてたみたいだ・・・ でも、アルバートには見えてないらしい。 まあ、そこそこ楽しかったし・・・平和だった・・・ でも、 そん時に・・・・ 北の戦争がはじまった。 俺達は、本気で逃げた。途中、アルバートの姉と、エシュターの妹。アルフィーネと、フィーリアムがはぐれ、その後はわからないが・・・・ おそらく、みんな逃げ切って、助かったと思う。 「戦争」は終わったんだ でも、風当たりはひどかった 教育水準があーだこーだで・・・ エシュターは、叔父さんに引き取られ、アルバートは教会に世話になっている。 そして、俺とアイナは、生活保護をうけて生活している。 シルフェイド学院に入るまで苦労した。 でも、うるさい奴はうるさい。「ナイラーザ」とか・・・ 要はだ。俺達は・・・あんたらが言う。原住民族だってことだ。 第一話〜あれ??俺らの日常っておかしくね??〜 目覚ましが鳴り響く7:30 そろそろ、アイナが迎えに来るころだと仕方なく体をうごかそうと試みる彼の名はアサズキ ソラ。いろいろと変な物(ゴミ箱の女神とか)見えたりするので困ってるシルフェイド学院生徒Aだ。まあ、それも今日からの話だが。 「お〜い!!!!ソラ!!初めての学校だぞ!!」 「わかった!!今行く!!」 彼は、基本朝食は食べない派だ。まあ、頭を使うこともあまりないので、問題ないと本人は主張している。 身支度をすませ。ドアノブに手をかけ外へ出ようとした瞬間。 「ふぉおぉおおぉおりゃああああああああああああああああああああああああああ」 ・・・嵐が去った。と、そこに聞き覚えのある声がひとつ。 「まて!!村上!!!まだ時間には余裕があるぞ!!・・・くそ!!追うぞ!岸!!」 「つーか、てめぇら、はえぇよ!!」 アルバートと・・・・崖と呼ばれる友人・・・ 「俺は崖じゃねぇえええぇ!!!」 ・・・が駆け抜けた。 そこで、二人がおもわず、一言。 「「アルバート!?!?」」 しかし、すでに、その声ははるか彼方の彼には届くことはなかった。 「とりあえず、俺らも行こうか。部とかもみたいしな。」 その言葉にアイナはうんとしか答えられなかった。 「・・・・あのさ」 「うん。」 「おれ。298位だから、サークルどこも入れないんだけど。」 「・・・ああ、テスト順位の順番で先にきめられるからね・・・ちなみにあたしは9位だから、どこでもいいわよ??」 この二人の何気ない授業後の会話。 とりあえず、昔の友人(アルバート)をさがしつつ、回ることにした。すると、しばらくして、彼らは、セトとエシュターもこの学院に来ている事がわかった。教頭が、 「エシュター・クレイトンというものを知らないか??」 と聞いていたからだ。 なにしろ。入試を3科目しかうけず、300点とったらしい。 セトは成績上位者の中に入っていた。 「・・・にしてもさ、エシュター・・・空。飛べたんだな。」 「うん。エラ呼吸だったんだね」 ぶっちゃけありえない会話の中にまたもや彼の言葉が聞こえた。 「ん?ソラにアイナか??懐かしいな。」 「あ、本当だね。二人ともひさしぶり」 8年ぶりの再会である。その年月は二人を黙らせるわけがなかった。 「「エシュター!!アルバート!!」」 「・・・で、後ろの軍団は何??」 後ろには10は軽く超えるひとだかりであった。 「ああ、これは・・・」 「僕たち、新しい部をつくろうと思うんだ。それで、部員をあつめてたんだ。」 ・・・エシュターがそこまで積極的な人間だったかどうかソラは覚えがないが、軍団の中に見知った者もなかにはいる。学院入試の時、保健室でゲロってた青い服の女の子や、テスト中にオナラをしまくってた赤いバンダナの奴とか、異常なる足の速さであった村上という少年、アルバートの後ろを走ってた「崖」という少年もいた。 「俺はがけじゃねぇぇぇええ!!!岸だ!!!」 「・・・へー。俺らも入ろうかな??」 「んー・・・まあ、特に気になるとこもなかったし・・・いんじゃない??」 ・・・なんというか予想通りの展開というか・・・・お約束的なセリフがソラから発せられた。もちろん、このような展開になれているのがアイナである。 「わかったよ。名簿に二人分追加しておくよ。」 「顧問はリクレールとかいう若い教師だ。副顧問は・・・たしか・・・スケイル嬢とかいった筈だ。」 「・・・・リ、リクレー・・・・ル??」 おもわず、怪訝な声をあげるアイナ。見慣れない表情に不意に心配するソラ 「お、おい、どうした??」 「どーしたって・・・リクレールといえば、この学院の・・・校長じゃない!!!」 「・・・・・」 沈黙・・・・それはそうだ。校長が顧問をするということは、その気になれば校長の意思で部費を多くまわす事もできるのだ。 「なあ・・・そういえば、スケイルって人、もうひとりの教頭じゃないか??」 ・・・・さらに、沈黙。 つまり、現状。今、一番この学院の中の部で経済的有利なのは「この部」だということだ。これに対抗できるとしたら、毎日エシュターに弁当を作ってくれる二人目の教頭、ロベルト教頭の剣闘部くらいだ。そうすれば、新たな疑問が浮かび上がってくる。 「一体、どんな部をつくるんだ??」 「ああ、なんか・・・めが・・・・校長がいうには、マジカルパレスってのをつくるらしいよ???」 「いやいやいや!!!エシュター!!お前が、不幸なのはわかってるぞ??訳わかんねぇ事に巻き込まれるけど!!」 「そ、そうよ!!っていうかそれなにすんの??!?!その部!?!」 「「「「「世界の平和を守る」」」」」 ソラと、アイナの問いに後ろにいる軍団から答えが返ってきた。 「お前らは、どういう宗教なんだーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」 「だーーーーーー!!・・・」 「だーーーー!!・・・」 「だーー!・・・」 「だー・・・」 ソラの叫び声がひびく。そのせいでロベルト教頭に目をつけられたのは別の話である 303教室 ※一番大きい教室です。 「え〜・・・まず、皆さん。校長のリクレールです。」 「・・・・・スケイルです」 そう答えた、ダメ校長、ダメ教頭・・・といっても、彼女らの外見は普通ではない。 校長は、頭から角生やしているし、スケイルはひれのようなものがついている まず、普通の人間ではない事は、「マジカルパレス」を作るとかほざいてる時点で判明していたが、ここまでとは・・・ソラも、アイナも想定外だった。ノリでこの部にはいるなんて言わなければよかったと後悔するほどだ。 「それで、マジカルパレスとはなにか。疑問を抱いてる方も多いと思います。」 「多いというか全員がそうだと思うぞ。」 「マジカルパレスとは、いわば生徒会執行部です。」 「執行部ってなんだよ。」 「執行部とは・・・・・というかなんですか!!あなたは!!!さっきから私の説明の邪魔を!!」 「さっきから、意味不明な単語ばっかりだったからな」 「大体にして!・・・」 「あ〜いいから、話進めてくれ。リクレール校長。」 「ま、マジカルパレスとは・・・学院内での悪質な商法や過剰な校則違反を取り締まる部です。」 今までのソラとリクレール「校長」の会話は他の生徒から見て唖然としたものだったそうだ。エシュターが、 「何をやってるんだーーーー!!ソラーーーーー!!!!」などと顔を長くして叫んでいたほどだ。それでも、ソラは会話を続けていたが・・・・ 「で、校長。俺らにそれをやれと。」 「ええ♪ご明察です♪あ、もちろんそのために重要な武器等は用意します」 「武器なんているならあんたが動けばいいんじゃないか??」 「私には、すべき事(他の並行世界を見守る)がありますから。」 「へー・・・で、部長とかは??」 「あなたでいいんじゃないですか???」 「・・・・・・・・やっぱ、お前らはおかいしいぞ」 こうして、マジカルパレスという組織は結成された。 第2章〜譲れ亡き者(譲れなき物)〜 「なあ。そういえばさ、フィーリアムとアルフィーネは??」 マジカルパレス説明会後、皆サークルが決まり、帰りかけたころ、ソラが303教室にて、問いかけた。 「二人は・・・フィルと、アルフィーネは・・・・9年前のあの時はぐれたんだ。」 「・・・・え。」 「なんだよ!!!!それ!!!ふざけんなよ!!アルフィーネはともかく!!フィーリアムは!!!!!病気なんだろ!?!?!エシュター!!お前の妹だろうがぁああ!!!!」 「落ち着いて!!ソラぁあ!!」 「おい!!なんで、戦争が終わってから探さなかった!?!?」 「やめてぇ!!」 「お前の妹が、フィーリアムが、フィルがどんな気持ちでお前を待ってたと思う!!少しは考えろよ!!なぁ!!!」 ソラの怒りの言葉にエシュターは重い口を開く。 「・・・ああ。そうだね。君の言う事は正しいよ。でも、僕は・・・・諦めてしまったんだ。僕は、フィルを見殺しにしたんだ」 「おまえなぁあああああぁああ!!」 「ソラ!!」 ソラの前に立ちふざがるアルバート。彼は、信じている。エシュターは、まだ諦めていないと。でなければ、ノーマ学院の医学部など目指すわけがないと。 「アルバート・・・どけよ。」 「無理な相談だ。」 「どけ。」 「無理だ」 「どけ!!」 「無理だ!!」 「どけぇええええ・・・・」 「やめてぇええぇぇぇえぇぇぇええええぇぇぇぇぇぇぇぇええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇえぇぇぇええええぇぇぇえぇぇっぇっぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇええええぇぇっぇっぇぇぇええええええええぇぇぇええええええっぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」 「あ、アイ・・・ナ??」 アイナの悲痛な叫び。その響きによりすべてが凍りついた 「やめてよぉおおお!!!二人とも!!!やだよ!!喧嘩しないでよぉ!!」 「アイナ・・・」 「・・・もう・・・かえろ?ソラ。アルバート君もごめんね?」 「・・・・・ああ。」 こうして、彼らは皆、家路についた。 栗毛の少年と、黒髪の少女以外は。 「・・・・ねぇ。エシュター君」 「・・・なんだい??シーナ。」 「少しだけ、一緒にいても・・・・いいかな??」 「うん・・・・」 「・・・・エシュター君の妹ってさ、私と同じ病気みたいなの。ゼイールっていう先生が私に話してくれた・・・」 第三章〜真実の価値と、その意味〜 「ゼイールっていう先生が私に話してくれた・・・なんか、マニミア草っていうのがあれば病気・・・・治るんだって」 突然知らされた友人が自分の妹と同じ病を持つという真実。そして、その病の治療法。 「きっと、エシュター君は自分の妹さんを助けるために、探しにいっちゃうんだよね」 シーナはすこし、悲壮感に満ちた声でつぶやいた 「・・・でも、フィルは・・・もういないんだ」 「・・・え?」 ・・・・しばらく沈黙 「え、ゼイール先生はもう時間の問題だって・・・・」 ・・・・生きている。まだ、これからマニミア草を・・・探せば。間に合う!!!!! 「シーナ!!それは、どこにある?!?!」 「え・・・・迷わずの森か。」 《少年は、真実の服を体に浸透させているのだ。問題はないだろう。》 (梟さん。いままで、どこ行ってたの??) (トーテム能力者がいてはマズいとのことで散策してろと言ったのは少年ではないか) (もう、それでいいよ。) 「やっぱり、いくんだね・・・エシュター君。」 「うん。それで、シーナ。なんとか草はどれだけ必要なんだい??」 「うーん1人分は・・・」 「2人分だよ」 「・・・うん。そう・・だよね。1人だと1つあればいいから、2つだね。」 「・・・わかったよ。すぐ、戻るよシーナ。」 「・・・うん。」 少年は歩く、自分の行動はどんな物なのか知った上で。 今更、そんなことしても妹は自分のことをまだ兄とよんでくれるのか・・・ わからない。 わからないからこそ、少年は歩く。自分の罪を滅ぼしに。 もう・・・少年は、途中で留まったりはしない。 ・・・・彼は、もう、決めたから。 フォーンの街。 ここには、たくさんの物がある。 噴水。道行く子供たち。いつもある空。 その中に彼はいた。 医聖ゼイール。 彼は、助けるためにここにいる。時代と、時空と並行世界をたどり、全ての者をすくいつづける。伝説の医者。 そんな彼が・・・。 二人の前にいた。 「そこの君たち。エシュターという少年を知らないか??」 「・・・知ってますけど。」 ストレスの為、口数の少ないソラの代わりにアイナが答える。 「そうか。ならば、伝えてくれ。君の妹の治療法がみつかったと。」 「おい!!それ、本当か!?!フィーリアムはまだ、生きているのか!?!」 まさに、希望だった。まだ、信じられる。 俺は、まだ、エシュターを・・・ 「その方法は!!フィルの友達なんだ!!」 「・・・ほう。この世界では、君も友達か・・・・ゴホン。」 「迷わずの森にある、マニミア草があれば、治療薬が作れる。」 「あの、中に入れない森??たとえ、中にはいっても戻ってこれないっていう・・・」 「ああ。そうだ。」 「アイナ・・・・お前はエシュター呼んで来い。教室にいると思うから。おれは、先にいく。」 「うん・・・無理しないでね。」 「ああ。」 この少年もまた、歩き出す。今は、まだ真実の先には見え透いた死があるだけ。それを、いまから、消し、そして、皆で心の底から笑いあうために・・・初恋の人を助けるために。 少年は、歩く、先に闇や死神が待っていようとも。すべて、その手で掻き分け、その足で歩いていく。 今の彼は、誰にも止められないのだから。 〜303教室〜 バタン。あける。そこにはアイナの目指した少年は見当たらなかった。 ただ、彼女が、シーナがいた。 「すいません。エシュター君・・・知りません??」 「あ、もしかして・・・先生にあいましたか??」 「はい。ゼイールさんですよね??」 「なら、大丈夫です。エシュター君は、先に行きましたから」 「・・・そうなんですか。まったく持って性格は違うくせに。考えてることは同じなんですね??」 「そう、ですね。」 「まったく、なに考えてんのかしら」 二人の少年は、歩く。 互いが互いを気にしながら。 ひとつの物をめざして。 彼らは、今、 運命の分かれ道の鍵を握った。 第4話〜破壊の化身たる悪魔〜 どこまでも、続くこの深い緑。ざわめき。舗装されていない道。不気味な感覚。 迷わずの森である。 そこにいる、二人の少年。エシュターと、ソラ。 彼らは、それらに対峙し、その、底知れぬ闇に立ち向かおうとしている。 「・・・ソラ」 「なんだよ。」 「いいのかい??僕と一緒でも。」 「お前と一緒じゃなきゃ、フィルがなくだろ。お兄ちゃん。ソラ君。仲良くして!!!ってさ。」 「ははは。確かにやけにリアルな話だよ。」 「二人分だろ??」 「・・・・うん。」 「早めにいくか。」 《待て、少年。道をよく見ろ。》 「・・・・特に、なにもきずかないけど」 「エシュター・・・梟なんか飼ってるのか???」 《む・・・我が見えるか。》 「梟さん。ソラは僕と同じ体質なんだよ。」 何気ない会話。まあ、はたから見れば、おかしな会話であろうが・・・・しかし、ソラには聞いてみたい。疑問というべきものがあった。 「・・・ああ、そういえば、頭の中でへんな声が聞こえるんだが・・・エシュターなにか知らないか??」 「・・・梟さん。ソラもですか。」 《うむ・・・・確かに目覚める一歩手前のようだが・・・》 「目覚める??」 「フッ・・・ソラも近い将来僕と同じ立場になるのさ・・・」 「それは・・・・ちょっと」 「なんで困ってるんだ・・・ソラ」 《そろそろ、行くぞ。二人とも。道は舗装されていないが、よく、使い込まれている。気をつけろ。》 「梟さんは、それがいいたかったのか」 歩く。無言で・・・しかし、問題点が発生する。 「なあ、エシュター・・・マニミア草って・・・どんな植物だ??」 「・・・巨大人食い植物だったらなける・・・」 《心配するな。遥か昔、我が見たことがある。》 「そうか。そのときは頼むよ梟さん」 歩く。どこまでも、歩く。 ふいに、聞こえる足音 押し寄せる危険。本能で木刀を構えるエシュター。 現れたのは、蒼きバンダナをつけた。不良「蒼蛇」だった。 《・・・っここは奴等のアジトだったのか。》 「ん??だれだ??てめえ。ここは立ち入り禁止だ。・・・・しね。」 振り上げられる。拳。しかし、それは空を切り・・・・ 「ぐぁあああああ!!!」 すれ違い際に叩き込んだエシュターの木刀が不良に食い込んだ。まもなく、彼は、気絶した。 《少年。騒ぎを聞きつけ、仲間がやってくるだろう。早めに決めるぞ。》 「うん。わかってるよ。」 「エシュター。ここは、おれが、ひきつける。その間に、速攻で、お前はぶつを探せ。」 「で・・・」 「早く行け!!」 ドゴンっ ダッ・・・ ソラの叩き込む拳の音とどうじにエシュターは走り出す。親友の命2つと、妹の命を背負い。 はぁ・・・はぁ・・・・ はぁ・・・・はぁ・・・・ はぁ・・・・はぁ・・・ 《ソラとかいう少年は、そこまで弱くはないぞ?トーテムに目覚める可能性もある。負ける確立は・・・》 「はぁ・・・・嫌な・・はぁ・・・予感がする。」 《そうか・・・ならば、急げ・・・む?待て、少年。あそこに一輪咲いている花があるだろう。アレだ!》 「ナイス!梟さん!あと、1つ!!」 《・・・・少年・・・青春だな。》 〜ソラサイド〜 「おらおら!!次こいや!!」 自分が騒ぎをたてれば、エシュターの危険が減る。つまり、フィルが助かる確率も上がる。 しかし、 「ちょっと、つらくなってきた・・かな?」 《俺様の・・よ・・・に・・・ろ。》 「おまけに幻聴まで聞こえる・・・重症だな・・・」 「待て。お前、マニミア草がほしいんだろ??」 リーダー格の不良が言い放つ 「・・・・」 要点を的確についた言葉。彼は、おそらく、頭脳労働系のいやらしい不良だ。 「・・・・」 「そう警戒すんな。この前、似たような奴がきただけだ。まあ、フォーゼルのほうがお前より強かったけどな。」 「・・・で、そいつをくれるのか??」 「ああ、俺がいいっていうまで黙っててくれればな。」 「・・・・くっ・・・(早くこいよ?エシュター。)」 「いい心構えだ。やれ。ちなみにこいつはおさらばだ。」 地面に落とされるマニミア草。踏み下ろされようとする足。 「・・・ああ、なるほどな。そういうことか・・・・・」 《俺の声が聞こえるか??俺様の呼びかけにこたえろ。》 (いやいや、ゲームのやりすぎだろ、俺) 《現実逃避はよくないぜ?》 (・・・で、それに答えたら間に合うのか??) 《ああ、余裕だな。格ゲーしながらでも間に合うぜ。》 (・・・・じゃ、頼む。) 《軽いなぁ〜・・・まあ、いいや。俺様の名前は破壊の化身たる悪魔だ。よろしく頼むぜ。早速いくか。》 (ああ。もちろんだ。) 《いいねぇ。嫌いじゃないぜ。》 「うおおおぉおおおぉおぉぉおぉぉぉぉぉおぉぉぉぉおぉお!!!!」 先ほどまでの脱力感、焦燥感、拳の痛み。すべてキャンセル。 足が振り下ろされる前に繰り広げるは死神の鎌。そして、鎌を振り下ろす前の最後の言葉は・・・・ 「う、うあぁぁぁああああああぁぁぁぁぁぁっぁぁああああぁぁあああ・・・・」 断末魔。 ドガァアアアアアアァァァアアァアアアン ボンっと爆発音とともに巻き起こる爆風。それには、ソラ自身も驚きを隠せない様子だった。 「おい。死神。今、俺なにした??」 《ああん?ただ、思いを魔力で具現化させただけだろ??あと、俺様は悪魔だ。死神は1ランク上だ。》 「いいだろ??まあ、たしかに悪魔っぽいけど。呼びやすいんだよ。そっちのほうが」 《なら・・・いいけどよ。》 「で?名前は?」 《いったろ??破壊の化身たる悪魔》 「それ、名前??」 《ああ。》 「・・・・まあ、いいか。」 足音が・・・・する それも、恐ろしい速さでこちらに向かっているのがわかる。 ふいに、構えるが・・・ 《おい、やめろよ。仲間割れか??》 「・・・??」 軽く、悪魔に制されてしまった。それもそのはず。 「お〜い!!ソラ!無事かい??」 その足音の主はエシュターだったのである。 「・・・エシュター足速いな。」 《トーテム能力者ならこれくらい普通・・・む?貴様。破壊の化身たる悪魔か??》 「・・・・知り合いか??死神。」 ふとする疑問。しかし、この二人?が同類の存在であることには違いはないであろうと、ソラは疑問の声をあげながらも思った。 《ああ、そうだ。久振りだな。思慮深き梟。》 《なにがひさしぶりだ。まあ、北の戦争以来ではあるな。》 《で、クレイトンのガキに付いてるってわけか。》 《貴様も、アサヅキの子孫についてるではないか。》 「えっ〜と。梟さん??僕の前は僕の父さんについてたの??まあ、あったことないからわかんないけど。」 「死神。お前もだ。俺の親父についてたのか?」 《当たり前だ》 《当然だ。》 「・・・・エシュター。やっぱお前親友だ」 「同感。」 第5話〜運命と選択と〜 学園のどこか。 そこに、二人の人外なる存在がいた。 「女神様。エシュター・クレイトンとアサヅキ・ソラが協力しマニミア草を手に入れたようです。」 銀の狼を模した言うならば獣人、亜人に近いが、彼女はそれと一線を画す神聖さを漂わせていた。 「そうですか・・・やはり、彼らは運命と未来を変える唯一の存在。かつて、私が生み出した彼らの生まれ変わり・・・・ゴンベエさん・・・ナナシさん・・・」 バカ校長リクレールとは違う一面を見せている。 女神リクレール。今の彼女は、世界を統べる守護者である。 「ところで、我とフェザーは宿らなくてよいのか??」 「擬人化していますし・・・二人ともトーテムを宿しているようなので、問題はないでしょう。ただ、彼らは普通の人間ではないようなので、緊急事態になったら複数宿ってもらいましょう。そのときは、頼みますよ。クロウ。」 「任せてください。女神様」 クロウと呼ばれた彼女はそう答えた。 フォーンの街 「意外と楽だったね。」 「いや、俺は死ぬかと思ったぞ??」 手にはマニミア草。これからはみんなで笑いあえる。そう考えるだけで自然ににやけてしまう程に全てからの開放感は素晴らしいものであった。 「む、それは、マニミア草・・・・まさか、君が真実の服を・・・」 ゼイールだ。それにしても、難儀なものだ。彼は、真実をつい口にするクセがあるようだった。 《どうするのだ。少年。このままでは打ち首だぞ??》 (いやいや、僕が聞きたいよ) 「い、いやぁ、トーテム能力者なら誰でも入れる仕組みでしたよ。」 「む・・・そうだったのか。確か・・・アサヅキ君といったか。」 (ナイス!!ソラ!) 《・・・少年・・・・》 エシュターのS級犯罪をごまかし、ソラはそのまま会話を続ける。 「ところで、マニミア草をもってきましたよ。ちゃんと、二人分ね。」 「・・・・ということは、セフライトの分かな??」 「ええ。エシュターの友人の。」 「そうか。この世界は・・・・素晴らしいな。」 「「え?」」 意味のわからない言葉を最後に、ゼイールは治療薬でもつくるか。といい去っていった。 《・・・おい。梟》 《貴様もか・・・・悪魔》 《ああ、奴は女神の臭いがする。くせぇ。俺様は嫌いだ。》 《・・・悪くないと思うがな。貴様の性分だろう??》 《ああ。そりゃ、そうだけどよ》 今はまだ、この2匹の会話の意味がよくわからないソラと、エシュターはまず休むことしか頭にはない 「とにかく、帰って休もう。ソラ。君は、先に休んだほうがいいよ。アイナには僕が伝えておくから」 「ああ、確かに体が重いな・・・」 《それは、魔力を使いすぎたからだ。あとで、俺様が使い方教えてやる》 (・・・頼む。死神。) 303教室 バタンっ。 ドアをあける。そこには、二人の少女。シーナとアイナがいた。後ろ姿だけ見れば姉妹に見えるかもというエシュターの総評だ。 「シーナ。見つかったよ。マニミア草。」 「え?もう?」 「ああ、ソラががんばってくれたおかげだよ。」 少女に安堵の表情が浮かんだ。それと、同時に、溜まりに溜まった想いが涙となり溢れでた。もう、死の恐怖に耐えることなど、不要になったのだから。 「うっぁあ・・・・ああ。」 「・・・シーナ。」 「こわかっ・・・」 「もう、大丈夫だから。」 少年は少女を包む。悲しみも絶望もすべてから守り切る為に。もう、こんな恐怖を味わせてはならないと。 そして、2人に気を利かせ、教室を出た。もう1人の少女。彼女は、ソラの家まで駆ける。 「はぁ・・・・なにやってんのかしら。感動の再会って・・・・なに期待してんの!!私!!あいつは・・・フィルに。そう、フィルの事が・・・・でも、今はどうでもいい!!!!」 なぜなら・・・ 「いやな予感がするから。」 ソラ宅 ピンポーン・・・・ピンポーン。 「・・・・」 ピンポーン・・・・・ 三度目のインターホン、流石に諦めた彼女は、ドアノブに手をかけた。 「出ない・・・しかも、鍵は開いてるし。」 「開けるわよ??」 ・・・・ 沈黙。しかし、ソラの家。いや部屋は、狭いのでわかる事がある。 「ZZZ・・・・・」 完全に熟睡している。 「・・・ものすごく、気持ちよさそうね・・・」 一瞬の気の迷いか、ソラに四つん這いになる いい意味でも悪い意味でも、無防備なソラの顔に自分の顔を近づけてみる。まあ、当然のごとく顔は赤くなっていく。そのまま、唇が・・・・・・・ 「えっ〜〜と夜這いは夜行うものですが・・・・」 リクレール校長だ・・・・ 「ええええぇぇぇええ!?!?!」 「んだよ。うっせぇな。」 「わっ・・・わ・・・ちょっ。」 状況を説明すれば、ソラに四つん這いになり、キスしようとしたが。校長が現れ、つい大声を出してしまい、その音によりソラが起きてしまい、ソラに四つん這いになっていたアイナはものすごくピンチである !bgm緊急事態なのだ。 《・・・そんな、二次創作の話されてもな・・・・》 「ちょっ・・・・でかー!!2Mはあるって!!」 「ん。死神か。用があるなら後にしてくれ(眠いから)すまない・・・・」 《もちろんだ。(邪魔になるからな)》 「もう、ソラ!何(恥ずかしい事)言ってんの!!そして、あの化け物はなに!?!?!」 「あいつは、俺のトーテムなんだってさ・・・エシュターがいってたよ。でも、何も(眠い事以外)言ってないだろ??」 微妙に噛み合っていない会話を後にし、リクレールは話始める・・・ハズだったのだが・・・ 「ん?で、何でお前はそんな格好してんの??(制服くらい家できがえてこいよ。)」 「いや、これは・・・まちがった??(場所とタイミングを)」 「・・・ああ、なるほど(間違ったという事か)」 「そこ、納得!?!?!」 「いい加減にしなさっぁぁぁあぁあああアあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあアアああぁっぁぁぁぁぁぁぁあぁぁっぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁァァいいぃい!!!!」 「「はい」」 第6話〜昔話〜 「コホン。え〜、まず、率直に言います。ソラさん、アイナさん。貴方達はただの人間ではありません。」 フォーンの街にあるソラの自宅。といっても、マンションの1室だが。 そこで、リクレール、アイナ、ソラのトーテムの悪魔。4人が話しをしていた。議題は、「前世について」 「・・・まあ、俺はトーテム能力者だし、目覚めなくても、100M5秒だしな。否定はしない。ってか、できない」 「あたしなんて、100M先の虫見えるし」 二人は、手短に何がどう可笑しいのか、端的に説明した。流石の女神も理解できたようだった。 「・・・まあ、自覚があっても可笑しくはないでしょう。そして、普通の人間との最大の相違点は、運命に縛られないということです」 「というと、仮にあんたが予言できたとして、それを俺たち二人は、いや、俺たちだけは変えることができる。そういうことか??」 ソラの考えが述べられた。しかし、返ってきた答えは、予想外のものだった。 「仮定から結論まで、すべて正解です。私には、どう努力しても変わらない未来が見える。いえ、見えた。」 「じゃあ、あたしたちは、何者なんですか。さっき言った通り、ただの人間では、ないですよね。」 そう、彼らは自分達は何者なのか。それすらもわからなくなったのだ。女神は一言 「昔話をしましょう。」 そう、告げた・・・・。 私は、シルフェイドという天空大陸を作りました。 人々が幸せに暮らせるはずでした。しかし、この未来を見る力で、15日後に災いが起こるとわかってしまったのです。 当時の私は、ほとんど力が残っていませんでした。 だから私は、2つの精神を意識の海という世界から掬い、肉体に入れました。 その2つの命にトーテムを宿らせ、大陸を救わせようとしたのです、15日という仮初の時間の中で。 2人とも、自分自身の名前を忘れていたので、私が名前をつけたのです。 ナナシさんと、ゴンベエさんです。 2人は、私が見た未来を1つ残らず良い物に変えてきました。 彼らは、運命を断ち切る力をもっていたのです。 2人により、災いは止められました。しかし、2人は、そのまま、消える事を望んでいなかったのです。 2人は、愛し合っていました。 何故か、私は・・・・ナナシさんに激しい嫉妬を覚えました。私は・・・ゴンベエさんの事を愛してしまっていたのです。 そして、2人の最後の期限。 ゴンベエさんは・・・私を恨むどころか、ありがとう。と礼を言ったのですよ? ・・・・本当にお人好しですよね? ゴンベエさんは、最後に来世はナナシと一緒にしてくれと。私に告げ、 彼は消えていきました 語り終えるとリクレールは涙を流して、その場に崩れ落ちてしまった。 そして、ソラは気づいてしまった。いや、思い出すに近いそんな感情に囚われていた。どこかで、見た事がある・・・この「少女」の泣き顔を見るのは初めてじゃない。 それよりも、わかる事がある。 「あたしたちがその二人の来世ですよね??女神様。」 「・・・ええ。」 そして、ソラは気付きたくもない真実も気付いてしまった・・・・ 「災いが、また・・・起こるんだな」 「・・・・わかりません。ただ、私の未来では、シーナさんもフィーリアムさんも、助かりませんでした。ただ、運命を変える要素は貴方たちだけではないようです」 女神からは、肯定も言葉がでなかった。しかし、謎は深まるばかりだ。 「では、何のためにここへ??」 アイナが疑問の声を上げる。 それに、「リクレール」は堂々と言い放つ 「それは、ソラさん貴方に、私と付き合ってほしいのです。女神ではなく、1人の女として」 「?!?!?!」 アイナは、言いようのない不安に駆られた そんな事は、ありえない。わかっている。 ソラは、女神さま、校長になんか見向きもしない。もちろん、私にもだ。 しかし、この気持ちには自分にもわからなかった。 「すまない。俺は・・・・心に決めたやつがいるんだ。」 ソラが決断を下したあとでも、私の心ははれなかった。 第7話〜自分らしさ〜 リクレールと、アイナは俯いたままだ。 互いが互いを気にしながら。 ソラも思いに耽っている様だった。 やがて、リクレールは口をひらく 「あなたは、ナナシさんの事が好きなのですか??」 それに、ソラは堂々と声を張り、自分らしく答えた。 「俺は、ゴンベエじゃない。アサヅキ ソラだ。こいつも、ナナシじゃない。クロアカリ アイナだ。」 「・・・そんな。確かに魂の輝きは・・・」 「だが、お前の言うことは間違っていない。おれは、こいつの事が好きだ」 「!?!?!!?!?」 アイナは、なにがなんだかわからなくなっている様子だった。 顔を赤らめ、俯き、何をどうしていいのかわからない。今なら、ソラの顔を見るだけで赤くなってしまうだろう。 「・・・・ソ・・・ソラ。」 アイナの声は、リクレールの声にかき消されてしまった。 「わかりました。二人とも、お幸せに・・・・・さよなら」 リクレールは去った。仄かに甘い香りを残して。 取り残された、ソラは呟く 「嘘じゃないから」 「・・・ふぇ?・・・あ、う・・・・・うん・・・・・・すごく、うれしい。」 完全に動揺しきっている。アイナ自身もあまり自分の言っていることを理解はしていないだろう。 「・・・・やっぱ、俺じゃ無理か??」 「そ、そんなことない!!あたしだって・・・・ソラの事・・・・大好きだよ?だから・・・・・」 結局、この一言が決めてとなり、二人は今から、恋人同士になった。 その時、時刻は夜10時をまわっていた。 翌日 ガチャ。 「ほら、ソラ。朝だよ」 ・・・・・・起きない。 せっかく、あんたの彼女が起こしにきて上げてるのに・・・っていうか、合鍵渡したのあんたじゃん。 と、アイナは思った。 「おーきろー。ソ〜ラ〜。」 が、すぐに、その思考は消えた。代わりに、昨日できなかったことをしてみようと。 チュ。 「・・・・」 起きた。 「学校いこ??」 無邪気に笑っているアイナをソラは許すべきか迷ったが。 8:00 そんな余裕もなかった。 「いくか。」 「うん・・・」 そして、身支度をすませ。ドアノブに手をかけ外へ出ようとした瞬間。 「ふぉおぉおおぉおりゃああああああああああああああああああああああああああ」 ・・・とまたもや嵐が去った。と、そこに聞き覚えのある声がひとつ。 「まて!!村上!!!まだ時間には余裕があるぞ!!・・・くそ!!追うぞ!岸!!」 「ちくしょおおおぉおお!!俺の平和な一日を返せぇっぇぇえ!!!!!」 ・・・・・ 「ゆっくり行こうか。アイナ。」 うん。とアイナは答え。終始ごきげんで2人は歩き出した。 「昨日は、いろいろあったね。」 「そうだな・・・・まあ、元々俺ら仲良かったから、何が変わるってわけじゃないんだけど。」 2人は歩きながら話す。もちろん話題は昨日の事。 「でさ、エシュターとシーナ・・・・どう思う??」 「いや、聞くまでもないでしょ??ってか、教室で抱き合ってたわよ??」 「なにしてるんだ。エシュター・・・」 そして・・・ 「やあ、ソラ。アイナ。仲良さそうだね。」 うわさをすれば何とやら・・・・ 「ああ、今お前とシーナの話をしてたんだよ」 率直に言ってしまえるソラはすごいとか、そんなことはエシュターにとってどうでもよかった。 なぜなら、 「エシュターくん♪」 シーナ・・・・ではなく、ロベルト教頭だ。 「ノォオーーーーーーウ!!!」 「エシュター・・・微妙に顔伸びてるぞ。」 「しかも、顔色悪いわね。」 エシュターの叫びを尻目に会話をつづけるアイナとソラ。そして、 「私の愛をうけとれ。エシュター・クレイトン!!!喰らえ!!竜王の舞!!」 「なんで、愛の形が竜王の形してんだよ!!しかも、今喰らえっていったぞ!!!」 「ええい。今日こそは私の下(検問削除)」 「あんたの下で、なにしろっていうんだーーーー!!!!!」 「そ、そんな事を私にいわせるか。」 「教頭きめぇぇぇぇぇぇえええ」 教頭は少し興奮した。好感度が10上がった。 「ワァァーーーーーーーオ!!!」 「・・・・(あ。また、伸びたわよ?)」 「いいから、もう、俺らは行こう・・・」 ソラ達は、その場をさった。 「ちょ、教頭先生。タンマ!!」 「む、なんだ??」 「えーっと、実は・・・(ちゃんとまってくれるのか)」 「なんだ、早く言いたまえ。フンスフンス」 「彼女ができました。」 「なんだとぉおぉぉおおおぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおぉぉおおおおおおおっぉお ぉおおおおぉぉおぉぉぉおおおおおぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉおおおおおおおぉぉおおおおおおぉぉぉおぉぉぉおぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉおおおおおおおぉぉっぉおぉぉおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおっぉぉぉおぉぉおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉおぉおっぉぉぉぉおおぉぉぉっぉぉぉっぉおぉぉぉっぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」 場所はもどり、ソラ達は 「ついたはいいけどさ。すごい声したよな」 「うん。ところでさ後悔してない??あたしとつきあって。フィル。生きてるんでしょ??」 「それは、もう関係ないだろ。俺は、お前じゃなきゃ駄目なんだよ。」 「・・・・え、・・・あ、・・・・うん。」 「お前と居るときが一番俺らしいっておもうから。」 最後、余談であるが悪魔は気を利かせ先に学園にいっていた。 第8話〜初恋〜 202教室、シルフェイド学院は授業選択制の短大の資格がとれる学校なので、担任という物はない。 したがって、クラスメイトが存在しない為、極端に友人が多いやつもいれば、あまり、他人と接しないで学園生活を送る奴もいるという。 もっとも、アルバートの顔の広さはすでに有名だが・・・ そして、アイナは全てソラと同じ授業、最上級理力を取っている。なんでも、もう離れたくない、浮気したらこまる、顧問がリクレールだから。等。 多々、理由があるらしいが、 一番の理由はこれだ 「へ〜・・・・フィーリアムここに来るのか」 「う、うん。まあ、エシュター君もいるし・・・仕方ないよね」 「え、いいじゃんか。昔とかわんねぇよ・・・まあ、変わるとしたら俺とお前の関係ぐらいだろ」 普通に恥ずかしい事を言ってくれる。ソラにとってそうでなくとも、アイナにとってはかなり恥ずかしいのだ。それが、アイナが飽きない理由のひとつなのだが・・・ 「え・・・うん・・・・」 相手がソラの初恋のフィーリアムだけあって。不安は拭い切れない。 フィーリアムに会って、やっぱり君が好きだみたいな事になっては困るのだ。 それを見越したソラが 「じゃあ、試しにキスを・・・・」 《おい。学校でそれはないだろ。》 ガチャ・・・・ 「へー、そうなんだ。じゃあ、シーナさん。お兄ちゃんをよろしくお願いします」 「え・・・ちょ、フィーリアムちゃん。ま、まだアレをやるのは早いよ。」 「なにをする気なんだ・・・シーナ」 フィーリアム、シーナ、エシュターの3人だ。彼らも最上級理力の科目をとっていたようだった。 「わりぃ。アイナ。終わったらな。」 「・・・・え、あ・・・う、うん。」 アイナは、直感的にソラが自分にとってかなり恥ずかしい事をするであろうと、わかっていた。だから、顔はすでに真っ赤だった ガチャ 校長が入ってきた。5人はほぼ全員顔見知りだったので、固まって席に座った。 理力系学科は、基本理力、発展理力、上級理力、最上級理力の4つだ リクレールは、思ったよりも最上級理力を選択いていたものが多いことに驚いていたが、 「5人・・・ですか」 「よう。リクレール。」 彼女にとってゴンベエである。ソラが最上級を無理やり取ったのが一番の驚きであった。 「・・・授業をはじめます。」 リクレールは女神であるにもかかわらず、恐ろしい考えを浮かばせた。 アイナに難易度の高い理力を使わせ、精神を狂わすというものだった。 しかし、ソラが黙っている訳がないこともわかっていた。 しかし・・・・ 自分でとめることができなかった。 そして、リクレールは狂気の歯車をうごかす。 「まず、衝撃という物を試しましょう。各自、集中し、自分の中にあるエネルギーを解き放ち的を吹き飛ばすイメージをしてください」 「おいおい、そんなアバウトな説明でつかえるなら・・・」 「・・・・衝撃!!!」 アイナの手から放たれたみえない何か。 それは、目の前にあった。机を完璧に破壊し、もはや鉄屑と化していた。 さすがのリクレールも驚きを隠せなかったが、この程度ならば許容範囲。次の行動に移した。 「アイナさんは、かなりの才能があるようですね。魔力の収縮率も高いですし、貴方は神クラスの理力を使ってもいいでしょう。」 嘘だ。 収縮率はデタラメで、魔力とイメージ力に物をいわせて放ったようなものだ しかし、それでも才能があるのは嘘ではない。そのためか、誰も疑おうとしないのだ 《・・・・おいおい。アリかよ。》 「アイナ・・・・机。」 《少年・・・・あの少女は化け物か。》 「・・・そうだね、いいかい。フィル。これからはアイナに逆らったらだめだよ。」 「う、うん。」 「え、エシュター君。それは、ちょっと。」 恐ろしい批評だ。 しかし、リクレールは淡々と声を上げる 「アイナさんは、私と究極理力を練習しましょう。ほかの方は今、スケイルを呼びますので・・・自習をしていてください。」 「・・・・だってさ。フィーリアム。できそう??」 「・・・ちょっと無理。」 「私はちょっと得意かも・・・・」 その後、机がこわれたらしい 一方、悪魔とソラは二人で深刻な顔を浮かべ、警戒心を高めていた 《・・・・おい。ソラ。あの、女が大事ならリクレ−ルから目をはなすなよ。》 「・・・・わかってる。で、死神。理力の使い方は??」 《この前、教えた魔力の使い方と同じだ。集中し、体内から魔力を取り出す。お前は魔力の絶対値が高いから余裕なはずだ》 「取り出した魔力をイメージに沿って作る・・・・か」 《理力の場合、その時に感情を込める。破壊なら憎しみを。癒しなら愛を。基本はこんなもんだ。》 「身長2Mのお前が愛とかキモいな。」 「う、うああああぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああ」 クラスの会話をまったく無視したアイナの叫び。冷静なリクレール。ソラは理解するまでもなかった。 《おい。ソラ!!!やべぇ・・》 悪魔が叫んだときにはもう、ソラは駆け出し、アイナの手にある光に手を差し出していた。 「く、そっ!!!アイナ!!なにやってんだよ!!」 「し、知らないよ!!」 「いいからやるぞ!!」 「・・・うん!!」 《お前ら、復唱しろ!!今のお前らなら詠唱しなけりゃ可能性はゼロだ!!!!ソラ!!死ぬなよ!!》 「死神が死ぬなよって・・・おまえらしくねぇな!!!」 《っせぇ!!いくぞ!!》 後からかけてきた悪魔は叫ぶ。 自分自身の大切なものを失わないように。 ソラが負けないように。 かつて、彼の子孫たちがが生み出したすべてを断ち切る守りの唄を。 《其は、原罪。》 「「其は、原罪」」 《我が身は、断罪の刃》 「「我が身は、断罪の刃」」 《断ち切れ。全てを!!》 「「断ち切れ。全てを!!」」 《神眼!!!!!》 「「神眼!!!!!」」 リクレールの顔に映る二人から発せられる青色の魔力。 それとは別で、リクレールは青ざめていた 「こ、これは、まさか!!!破壊の化身たる悪魔!!!まさか、使った理力が条件結界だとわかって・・・」 《・・・・太陽。あいつの親父が使っていた理力だ。》 「しかし、失敗みたいですね。魔力が足りないようです。」 《くくく・・・だから俺はおめぇがきらいなんだよ。女神。》 「アイナ・・・・護るから。」 ドクン。 「・・・うん。」 ドクン。 ドクン。 ドクン。 ああ、あたし、いっつもこうだ。 ソラに迷惑かけて。助けてもらって。 結局、自分だけじゃ何もできない・・・ いつか、わたしはソラを・・・・助けられるのかな?? 《・・・なら、私を宿しなさい。》 ・・・誰? 《私は、清き乙女・・・じゃなかった。慈悲深き天使。私を認めるなら。私の名前を叫びなさい》 あたしは、ソラの後ろばっか見てるのはいや!!後ろじゃなくて、隣がいい!! だから、私は、慈悲深き天使をみとめる!!!!!! 「ソラ・・・・いままで、ありがと。」 「え、ちょ。アイナ!!なに・・・」 「でも、いつまでも護られてるあたしじゃないよ??」 《いつまで、いちゃついてるの??さっさとやりましょ!!天使の私がいらつくってどゆこと??》 「・・・まあ、こういうことで」 「そーいうことかよ!!!」 2人の魔力はさらに強くなり。 友人たちは、驚き、女神は肩を落とした。 《ケッ。ようやくおわったか。》 直に、2人の魔力がその場を沈め、リクレールがひいた狂気の歯車は彼らによっていともたやすく止められたのだった。 「リクレール。」 「はい。わかっています。私は・・・取り返しのつかないことをしました。ソラさんに運命を断ち切る力がなければ・・・」 「俺らの来世に100倍返しな。」 「!!・・・・・はい、はい!!わかりました!・・・・まったく、貴方と言う方は・・・・」 ソラは、大空のような人だ。 だから、こうして、いつも大した事ないって顔してなんでも許してくれる。 それに私が口を出す事はできない。 私も、たくさん許してもらったから 私は、女神とこれから「も」仲良くするだろう。 ソラがそうするように。 それが、私がソラに恋をした理由なのかもしれない。 なにより、それがソラのソラたる所以だから。 「来世と言わず、今100返しでもいいですよ??(服はだけてる)」 前言撤回だ。 少し、口出しした方がいいかもしれない 8話〜夏祭り(準備編)〜 「え〜、緑も深まり厚ぐるしい今日このごろですが・・・」 校長リクレールが終業式の挨拶をする。 しかし、紅いバンダナのガゼルという少年とアルバート。そして、ソラ達はその挨拶をことごとく無視し、会話に集中していた。 「え??夏祭り??・・・ガゼル。そんなのフォーンの街であったっけ??」 「ないぜ。」 「え、でも今、夏祭りやるっていったよね??」 「なんでも、俺のところのシスターが企画してるらしいぞ?」 「そ、そうなんですか。相変わらずですね。アルバートさんも。」 フィーリアムも会話にうまく混じっており、着々と話が進んでいった。 最終的に、アイナ、シーナ、フィーリアム、は浴衣を着ることになったらしい。 「なんで。浴衣きなきゃいけないの!??!」 と、アイナは、猛反対だったのだが・・・・ 「いや・・・その、見てみたいんだけど、アイナの浴衣姿。」 ソラの改心の一撃により、女性陣は、浴衣が決定事項になった。 そして、話題は、アルバートの姉の話しに 「む、そういえば、俺の姉・・・アルフィーネが夜店の手伝いをしているとかいっていたな。」 「・・・アルバート、お前姉ちゃんいたのか。」 「あ、ガゼルとシーナはこっち育ちだからわからないか」 「アルバートさんには、アルフィーネさんっていうお姉さんがいるんですよ。あの人には大変世話になりましたよ。」 「へ、へー・・・意外だね。(ど、どうしよう。浴衣なんて私・・・)」 「・・・シーナがぎこちない。」 「そ、そんなことないよ!!(エシュター君顔近いよ!!)」 《・・・少年よ。今のはクリティカルだな。》 「ギックゥ・・・」 「??」 《梟・・・追い討ちをかけてやるな。》 《悪魔のいうとおりよ。乙女はデリケートなのよ??》 《・・・む、それはすまん。》 「エシュター・・・お前、最近シーナにやけにやさしくね??」 「・・・彼女だからしょうがないよ。ガゼル。」 「・・・・!!!(真っ赤)」 《止めを刺したのは少年だったか。》 「そっか・・・・いよっしゃあ!!それじゃあ、6時半集合な」 「ああ、了解した。。(エシュターがシーナの物になったか・・・くそ。)」 「わかったよ。ガゼル(・・・堂々といっちっゃたけど・・・まあ、いいか)」 「じゃあ、またな(エシュター・・・やるな。俺でもそんなこと言わないぞ??)」 「ばいばい(・・・ソラの嘘つき)」 「う、うん。またね(エシュター君と初のデート・・・フンスフンス)」 「息荒いよ。シーナ・・・・」 「そこっ!!!私の話を聞きなさい!!」 「は、はひぃいいい!!」 第8話の2〜(夏祭り当日編)〜 まだ薄暗い夕方。 はしゃぐ子供。 頬を赤らめる少女。 涼しい顔をしている少年。 ここにも、2人。そんな少女が。 「「・・・・はぁ。」」 アイナとシーナである フィーリアムは、ある意味似たもの同士の彼女たちを笑顔でみているのだった とそこに、ため息の理由と浴衣姿の校長が・・・・って校長!???! 「なんで、リクレールまでついてきてんだよ。」 「いいじゃありませんか♪」 「いいじゃん、ソラ。ネコミミ女とかいいだしたアルバートより、よっぽどマシだ。」 「つか、俺的にアルバートは幻術にでもかかってるんじゃねぇかなと思ってる。」 黒のジャケットに黒のジーパン。そして、前開けのYシャツ。 ほぼ、黒ずくめだが、ソラの銀髪に良くあい、いつも見ているはずなのに、なぜか 「・・・!!」 「え、ちょアイナさん??」 首にかけている月を模したペンダント。紋章というべきか。 彼女はそれが気に入らなかった。 たぶんおそらく、リクレールが渡したものだろう。 私は・・・なにをあげれば・・・ と、彼女は思いつめてしまったのだ 「どうした??アイナ。お前のトーテムの天使もビビってたぞ??」 「あ、いや。別に大したこt」 言葉の途中で唇をふさがれた。 もう、みんなが見てるとか。 どうでもよくなってしまった。 そして、直に彼は彼女から離れ言葉を切り出す。 「いや、その・・・これ。お前の分だ。リクレールに礼いっとけよ??」 彼女は始めて見た。ソラの照れている姿を。 そして、今のはなんなのだろうか。新手の口封じ???などと彼女は考えながら飛び出した 「いこっ。」 「あ、う、ああ。そうだな。」 アイナは、ソラの背中に抱きつきそのまま夜店の中に消えた。 リクレールがあわてて、後を追いかけるのをエシュター達は見て笑ったのだった。 「あ〜、わりぃ。おれ。用事思い出した。」 「ちょっ、あの、ガゼルさん。ここらへんの地理わからないので「詳しく」教えてくれませんか??」 「!!!・・・・いいぜ。レディファーストだ。(そうきたか。エシュターの妹にしてはなかなか空気読めるな・・・それに・・・なかなか)」 そういい、ガゼルとフィーリアムはさっていった。 《・・・我等も、今後のために祭りというものを見ておいたほうがいいだろう。》 《そうだな・・・(よし、ソラをみたら冷やかすか)》 《いいわ。(よし、あの子を・・・略)》 「・・・・(ハァハァ)」 「・・・・(どうしようか。気まずいな。しかもいき荒いぞシーナ。)」 まんまと、周りの策略に嵌められた二人。 その空気は、気まずくとも嫌ではなかった。 と、あとで、二人は語ることになる。 「え、エシュター君・・・手つないでもいい??」 「え?いいけど・・・(どうした、シーナ・・・震えてるぞ)」 「いこっか。」 「うん。」 コツコツ・・・←歩いている音 ・・・・・・・・・ 「まてぇ!!ネコミミ女ぁああ!!!!にがさんぞぉおお!!!」 ・・・・・・ 「なにやってんだーーーー!!アルバートぉおおお!!!!」 「ビクっ・・・(顔伸びてるよエシュター君。)」 「む、エシュター!!ちょうどいい!!ネコミミ女を捕獲するために協力・・・」 「する訳ねぇだろ!!アホ!!」 「そうか・・・残念だ。・・・む、教頭!!頼みがある!!!」 アルバートは去っていった。 ・・・・ 「・・・アルバート君・・・エシュター君のことは諦めたのかな??」 「うん。多分ね・・・・でも、大分複雑だよ。」 「う、うん・・・そうだよね。」 「あ。」 「え、ソラさん??」 「ソラ・・・大胆だな君は」 「ちょっ・・・・(直視できない。)」 《・・・やるな。ソラ》 《少年よ。奇遇だな(大ウソ)》 《きゃっ・・・大胆》 フォーンの街の広場全体を使っている夜店の中で彼らが出会うのは偶然というべきか。当然というべきか。 しかし、タイミングが悪すぎた。 「ふぇ・・・??・・・ってうわわあ、ああ。」 「ちょっ・・・まっ暴れたら落ちるって!!」 いわゆる、お姫様だっこというものをしてもらっていたのだ そして、そのまま・・・崩れ・・・ ぐしゃ・・・ 「あ。」 「わ〜・・・」 「ひゃああ!!」 「ちょ・・・おにいちゃん。」 《いけっ!!そのまま寝どれ!!》 《いいのか??その展開になると削除される恐れが・・・》 《何の話だ・・・・梟》 状況説明すると、暴れたアイナが崩したバランスを保とうとし、後ろに重心に傾けたが・・・・そのまま。崩れたのだった。 結果、アイナがソラを押し倒している(ように見える) アイナにとって、2度目の!bgm緊急事態なのだ!! 「ちょっ・・・ちがっ・・・そのっ・・・」 「ってぇ・・・・あ。花火。」 ドーーン。パチパチパチ・・・ ドーーン。パチパチパチ・・・ ドーーン。パチパチパチ・・・ ドーーン。パチパチパチ・・・ ソラの視点にはアイナ。 後ろには打ち上げ花火。 実に、幻想的な雰囲気だった おもわず、ソラは 「本当にお前でよかったよ。これからもよろしくな」 「え??・・・って・・・んぐっ・・・・」 今日2度目の口封じだった。 第9話〜銀髪〜 「と、いうわけで。『あなた』方には今日から、マジカルパレスの使者として働いてもらいます!いいですね!!」 303教室にてリクレールが不機嫌気味そうに言い放つ。 「なぁ、やっぱ昨日のあれ見られたからからか??」 ソラは、小声でアイナに声を掛けたが 「・・・そうかもね。(ふふふ・・・・勝った!!完全勝利!!)」 と、内心思われ、そっけない言葉で返えされた。 「はい!いいですか。もう、昼なので手短に説明します。ほしい武具は武器庫にいけばあります。あと、武器庫は合言葉がなければ入れません。合言葉は・・・・リクレール大好き☆・・・・・です。以上、解散!!」 とリクレールはソラの見つめ顔を赤くしながら教室をでた。 「・・・・どう思う??死神。」 《・・・・目的が明確でいいんじゃないか??》 「・・・・キモいよ・・・」 《・・・そこまでして、言って貰いたい言葉なのね・・・》 2人、ないし悪魔と天使を含めた4人は、続かない会話をしながら教室を出て、昼ということで食堂にいこう・・・としたのだが。 「・・きょ、今日はお弁当つくって・・・・きたんだ〜・・だから。テラスにいこ?」 という、アイナのチグハグな提案に乗り、今日の昼食はテラスで採ることにした。 正直、アイナの手料理など食べた事がないソラにとってなんとも魅力的な提案だった。 だが、テラスには先客がいた。 風になびく銀色の糸。 ソラにとってはどこか、懐かしい。 アイナにとってはいつも見ている。 ソラと同じ髪の色をした少女。見間違えるはずもない。 あの日、あの時、確かに一緒に遊んだ記憶がいまだ鮮明に残っている。 確か・・・・・彼女に名前は 「セト!!!セトだよな!!」 「へ?・・・その髪の色・・・ソラさん。ですか??」 「ああ。そうだよ。他のみんないるんだ!」 「え``。アルバートさんもいるんですか??」 同年代で同じ髪の色をしているのはソラとセトだけだった。当然、仲もよかった。 村の中ではきっと、運命の人なんだという噂さえ流れた。 しかし、冷やかしたものはことごとくソラの怒りにあい静められた。 そんな彼らにとっては、感動の再会だったろう。しかし、 アイナにとっては何か違う。確かに、昔の友人にあえた。 たしかに、嬉しい。だが、気付けば彼女は妬みや、嫉妬をしていた。 「あ、せっかくですし。みんなで食堂にいってお昼ごはんでもどうですか??・・・あ!でもでも!!から揚げは分けてあげませんから!!」 「・・・あ〜・・わりぃ。また今度な。今日はテラスで食べる気分なんだ。」 「じゃ、じゃあ、購買でパンでも買ってきます!!」 ダッ・・・・ 「あ〜、すまん。なんか、セトも一緒になっちゃった・・・・」 「・・・・」 「・・・アイナ??」 「ふぇ?・・・・じゃなくてなに??」 「ぼーっとすんなよ。」 「・・・うん。」 彼女は思う。 きっと、ソラは私の気持ちなど知る由もない。 別の女の子と話していて私が嫉妬してるなんてわかるわけがない。 でも、きっと私は、何度でもソラを許すだろう。 だって、私は・・・・この人の事が・・・・ 〜セトサイド〜 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ。・・・なにやってんだろ。私。」 「私は・・・きっと、ソラさん・・・いや、ソラ君の事が・・・好きだ。 とてつもなく好きだ・・・・じゃないと アイナさんと一緒にいるとこ見てこんな気持ちになる・・・ハズ。ないよ。たぶん、つきあってるんだろうな。お弁当・・2つもってたし・・・・・」 私と、ソラさんは同じ出身の友達・・・です。(もっとも、私にとってはそれ以上のものだったが) でも、最近気になり始めました・・・いや物凄くきになる。 「ん。セト。1人でなにやってるんだい??」 「え。あ、エシュターさん。すこし・・・考え事を・・・」 「うーん・・・。ソラの事かい??」 「ギックゥウ!!」 |
mujina
2007/08/10(金) 18:48:33 公開 ■この作品の著作権はmujinaさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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